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洗心湯屋

日本一長い、時代小説を目指しています。

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書斎3 

 日本一長い時代小説を目指して
ちなみに日ほ本一長い歴史小説と言われているのは、山岡荘八先生の「徳川家康」で、四百字の原稿用紙で17、482枚。
文字数は単純計算すると6、992、800字です。
鐘巻兵庫110話終了時点で約326万文字ですから、今後年55万文字のペースで書くと、目標達成は6年半後、男の平均寿命が尽きる頃でしょうか。
そこまで長生きできれば良いのですが。

鐘巻兵庫無頼控え ←連載中
 
湯上り侍無頼控え ←連載終了

駄文創作の徒然 ←たま~に
小説を書くことで体験する事柄を綴ります。 

馬鹿な話 ←たま~に
日々思いついた身近な題材を選び、少の偏見を込め綴ります。

鼻歌 100曲作りました。興味無くても聞いてください。
      珠玉の鼻歌100曲のメドレー

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Posted on 2031/04/30 Wed. 09:34 [edit]

3LDK  /  TB: 0  /  CM: 31

古きものを大切に 

 土曜日(2018-8-18)に新しいデスクトップパソコンを購入しました。
いま動いて居るパソコンは2台で、一台が何とか現役のノートパソコンで、もう一台が病に罹って居る古いXPのデスクトップパソコンです。
新しいパソコンを購入したのは、今現役のノートパソコンにも不安な症状が出始めたからです。
新しいパソコンを買う事で、病に罹って居るパソコンがパソコンとしての余生を終わらせることはしません。病を治すつもりです。

 例えば7年前に載せた「満三十八歳の扇風機」は満四十五歳になってもまだ現役です。
この扇風機は火を噴くと云う事で使用しないようにとお触れが出ていますので、気を付けて弱風で使って居ます。
他に、私が五十数年前に父に買って貰った腕時計は今も私の腕で時を刻んで居ます。
毎日分単位で遅れるのですが今となっては狂うところに愛着があります。

 病に罹って居るパソコンは買った当時の状態に戻すつもりです。既にマイクロソフトはアップデートのサービスを止めて居ますので、人間で言えば老いて子供に戻ると云ったところでしょうか

私も後期高齢者の仲間に入りました。
すてないでね~

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Posted on 2018/08/20 Mon. 04:01 [edit]

馬鹿な話  /  TB: 0  /  CM: 2

【鐘巻兵庫 第111話 落し所(その30)】 

 志津が背後の障子を少し開け、暫くすると廊下に足音がして障子に影が映り、座った。
「膳を下げに参りました」と子供の声がした。
「お願いします」
志津が応えると、障子が開けられ、次々と子供たちが入って来て奥へと進み上座の膳、そして左側の膳の前で腰を下ろし一礼すると膳を取ると立ち上がり出口を向いた。
この動きが一定の間を置き奥から入口へと流れ、最後に入り口近くの膳を取り立ち上がると躊躇わず部屋を出て行き、退室の動きが奥へと伝わっていった。
部屋から子供たちが居なくなると、入れ替わるように子供たちが入り、残った右側の膳を下げていった。
最後の子供が出ると廊下に控えていた子供が障子を閉め、障子に写る影も去っていった。
「子供たちは素直で、助け合うと仕事が捗(はかど)ることを身をもって知っています。節約した時間は己のために使うことになります」と志津が説明した。
「大人でも同じように行くと思って居ますか」と楼主の一人が尋ねた。
「養育所には浮浪の子供たちの他に、旦那様の命を狙った者たちが二十名ほど働いて居ます。まだ一人も去っていった者は御座いません。女子も何人か居ますが与兵衛に関わる者は乙女と珊瑚の二人です。二人ともここで暮らしながら遅れて居た修行を始めています。これから来る娘たちにも夢を与えることでここでの修行に励んで貰えればと思って居ます」
「ここでは娘たちを閉じ込めないのですか」
「いいえ、出て行くのは自由ですが、入るのは手続きが必要です」
「吉原とは逆ですな」
「はい、ここに来た日に教えることの一つに、許可無くここを出たら容易に戻れない事です。同時にここに留まり修行をすれば願い事が叶うことを教えます」
「願い事が叶うのですか」
「娘たちの望みは嫁に行くことでした。養育所には先ほど申しましたように、旦那様に刃を向けた頼もしい男たちが大勢居ます」
「なるほど」
この後、雑談が続けられたが、楼主たちは娘たちを兵庫たちに戻す見返りを志津から聞かされ、それを落し所として受け入れ吉原に戻っていった。

 一仕事を済ませた碁四郎と虎之助も浮橋や駒形に戻り二人に成った兵庫と志津は部屋に戻ると今後のことを水入らずで話し始めていた。

第111 落し所 完

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Posted on 2018/08/19 Sun. 04:01 [edit]

thread: 花の御江戸のこぼれ話

janre 小説・文学

【鐘巻兵庫 第111話 落し所(その29)】 

 表口から会場となる兵庫の部屋まで兵庫と志津が案内した。
途中、中庭に面する廊下まで来た所で四郎兵衛が
「中庭から樹木が消え、更地にしましたね」
「はい。この庭は庭園で始まり最近の十年間は藪と化して居ました。これからは見せたり、ただ放置する場ではなく、使う、修行の場として更地化しました」と足を止めた兵庫が応えた。
「ここは女が住む家と聞いて居ますが、更地化でどのような修行を、まさか薙刀ではないでしょうね」と四郎兵衛は志津を見た。
「男の剣術でも大した売りには成りません。まして女の薙刀では包丁仕事に敵いません。仕立てを習う者たちには庭を使う洗い張りを教えます」
「なるほど」
 再び歩き始めた兵庫等は並ぶ金屏風が見える部屋の前までやって来た。
「狭いですがこの部屋で皆様に話しをさせて頂きます。妓楼の皆様方は屏風の前にお座りください。四郎兵衛殿は最後に志津とオア入り下さい」
 吉原の妓楼の主等が部屋に入り、座を埋めていった。
それを待って、兵庫、碁四郎、虎之助の三人が奥へと進み上座に着き、それに対面するように志津と四郎兵衛が下座に着いた、障子が外から閉められ、障子に写る影が消えていった。
「高い所から失礼いたします。私がお願い致しました鐘巻兵庫です。左が山中碁四郎さん、右が内藤虎之助さんです。吾ら三人は昨年暮れ浮浪の子供たちのために養育所開設を御上に願い出た者です」
と紹介し、三人は客に頭を下げた。そして続けて
「皆様にわざわざお集まり頂きました訳については四郎兵衛殿よりお聞きとは思いますが、改めて話します」と前置きし、今日にいたるまでの動きを話して聞かせた。
 部屋に居る者たちが共通認識を持たせた所で
「過ぎたことはこれまでとして、皆様へのお願いの通り、いま吉原に居る二十一人の娘たちをこちらに出来れば無償で御引き渡し下さい。ここで遅れて居た修行をさせ、娘たちがここに初めて来た時に望んでいて夢を果たさせてあげたいのです。皆様にとっては割の合わない条件ですが、それは時間を掛けてお返ししていきたいと思って居ます」
「鐘巻様、時間を掛けて返すとのことですが何か目に見える者が御座いますか」
「その事については私から」と志津が云い、上座に向いて居た目を下座へ変えた。
「今考えていることは、吉原で困って居ることで、養育所で何とかなることを探しています。過去の例としては、赤子を引き取ったことが御座います。もし、年季が明けた方で行き場の無い方が居られましたらお引き受け致しますが・・・今はこれしか思いつきませんが如何でしょうか」
「悪い話ではないな」と金屏風を背にした者から同意する声が上がった。
その声に同意するかのように、頷く楼主は少なくなかった。
「鐘巻様、この話はお受けすることに決めてこちらに参りました。ただ受けるか否かについて色々とありました。それも年季明けの者を受け入れて頂けるとの話は良い落し所に成りました」
「有り難うございます。娘たちを引き取らせて頂く日取りは決まって居ますか」
「実は娘たちはこの様な話が進んで居ることを知りません。戻ったら話をして改めて吉原を出るか否かを決めて貰います。出ると云うまで説得します。支度が出来た者から出て貰います。お知らせしますので会所まで迎えに来て下さい」と四郎兵衛が言った
「分かりました。知らせが届くのを待って居ます」

 話が纏まると志津が障子を開けると冷たい風に乗って食欲をそそる匂いが流れて来た。
「これからお出しする料理は、これから膳を運んで来る者たちで作った物です。みな養育所を頼った身寄りの無い者たちです」
 さほど間を置かず宗和膳を息のかからぬ高さに持ち上げ、女たちが運んで来て金屏風の客の前に置いていった。
それは見るに値する優美な流れで、運ぶ者は大方は子供たちだったが、大人の女も混じっていた。珊瑚だった。
珊瑚が膳を置いたのは、はつね屋の伊久太郎の前だった。
前に乗って居る物は、ありふれた食材を使った一汁三菜の料理で匂いを除けば食欲をそそる物ではなかった。
「養育所で出す食事と大した違いは御座いません。ご賞味下さい」と志津がいった
食事が始まり、終わったが、誰一人として残す者は居なかった。

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Posted on 2018/08/18 Sat. 04:01 [edit]

thread: 花の御江戸のこぼれ話

janre 小説・文学

【鐘巻兵庫 第111話 落し所(その28)】 

 嘉永六年十二月六日(1854-1-4)が明けようとしていた。
特に早起きしなければならない用はなく、明け六つの鐘が鳴るのを待てばよいのだが、兵庫は有明行灯の灯を頼りに床を抜け出し稽古着に着替えた。
稽古着は兵庫にとっては作業着でもある。
 ただ、この家は押上の家よりも暗い。ここは暮らすために建てたのではなく客を迎え、飲食させる場だった。客を迎えるのは主に夕刻からで暗く成れば灯りを点せばよかったので日々の暮らしに対する気遣いは少ない。
 暗い居間の障子を開け廊下に出ると、その廊下の端に在る戸袋まで行き、雨戸を開け、夜明け前の明かりを北廊下に招き入れた。
 その廊下から中庭を見下ろすと先日まで藪状態だったのが一木一草はおろか敷石まで取り除かれた更地に生まれ変わっていた。
明け六つの鐘が鳴った。
 部屋に戻った兵庫は居間の隅に置かれていた千丸のおしめが入った桶を持って台所を抜け裏庭に出た。
井戸の水を汲み、おしめを洗い、物干しに干して台所に戻ると、この家に住む女全員と駕籠に入って寝ている千丸が台所に集まっていた。
そして思わぬ音が聞こえて来た。気合と竹刀を打ち合わせる音だった。
 暫くして兵庫も剣術の稽古に加わっていた。
藪状態だった中庭を女の道場に変えるため更地化したのだが、最初に使ったのは男たちだった。

 時が流れ、朝食の支度が出来たことを知らせる板木が打たれた。
防具を外し、手足を洗った男たちが台所で膳を受け取り、食事場となって居る兵庫の部屋に入ると、そこには千丸を見る志津が居た。
兵庫が千丸の番を引き受けると、志津は台所へと出て行った。
暫くして女たちが座を埋めると食事が始まり、そして終わった。

 食後、その場は客を迎える場へと模様替えが始められた。
部屋を仕切る襖が隣の佐吉の部屋に運ばれ、佐吉の部屋に置かれていた六曲の金屏風四帖が持ち込まれ、部屋の左右に六曲一双の形で置かれ、左右の金屏風が向かい合った。
これは左右に分かれて座る二十数人を主賓として迎えるための舞台造りだった。
半分冗談から出た舞台づくりだが、形にあまりこだわらない兵庫を知る客に対してだから趣向として成り立つのかもしれない。
迎える養育所の発起人の三人が所謂上座に、志津が下座に座る形で座布団が置かれていった。

 場づくりが終わり着替え直し、暫くすると、手伝いの女の子や山中碁四郎と内藤虎之助がやってきた。
そして、客がやって来たのは昼四つの鐘が鳴った後だった。
志津は一々楼主の名を呼びながら出迎えた。
「はつね屋の伊久太郎様、来て頂けたのですか。珊瑚も喜びますよ」
「珊瑚はこちらに居るのですか」
「はい、ここには良い思い出は無いのですが、ここに居るのはやり直したいと思い始めたからでしょう。今度は安心して修行が出来ます。用心棒が居ますからね」

 吉原からやって来たのは、成田屋与兵衛に売られ、今なお吉原に居る娘たちを買った楼主・二十一人と、買ったが死んだほたる、年季が明けて吉原を出た珊瑚の楼主、他に会所の四郎兵衛の二十四人だった。

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Posted on 2018/08/17 Fri. 04:01 [edit]

thread: 花の御江戸のこぼれ話

janre 小説・文学