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洗心湯屋

日本一長い、時代小説を目指しています。

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 日本一長い時代小説を目指して
ちなみに日ほ本一長い歴史小説と言われているのは、山岡荘八先生の「徳川家康」で、四百字の原稿用紙で17、482枚。
文字数は単純計算すると6、992、800字です。
鐘巻兵庫179話終了時点で約542万文字ですから、今のペース年50万文字で書くと、目標達成は2026年2月頃でしょうか。
そこまで長生きできれば良いのですが。

鐘巻兵庫無頼控え ←連載中
 
湯上り侍無頼控え ←連載終了

駄文創作の徒然 ←たま~に
小説を書くことで体験する事柄を綴ります。 

馬鹿な話 ←たま~に
日々思いついた身近な題材を選び、少の偏見を込め綴ります。

鼻歌 100曲作りました。興味無くても聞いてください。
      珠玉の鼻歌100曲のメドレー

 ←のボタンを押して頂けると頑張れます。

Posted on 2031/04/30 Wed. 09:34 [edit]

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【鐘巻兵庫 第181話 元締め(その13)】 

 小間物屋の勝手口から裏庭に出ると大吉が
「先生、久兵衛宅に偉そうな者が一人入りました」
「偉そうな者とは?」
「子分の何人かが出迎えたそうです」
「待ち人が来たようですね」
「多分。それで政吉さんと島次郎さんと出会ったあたりに戻って下さい」
「分かりました」
 
 言われたとおり、兵庫が出会いの場所に戻って行くと政吉と鹿次郎も歩み寄ってきた。
「偉そうなお方が、一人久兵衛宅に入ったと聞きましたが・・」
「はい、恐らく金貸しだと思います」
「金貸しだとして、泊まるか、出て来るか判りませんが出て来たらどうしますか」
「これまでは出て来た者は一人で行き先を確かめて来ましたが、今回は私の仲間と鹿次郎さんの仲間から各一人ずつ出し後を付けます。金貸と判れば近くに潜む場所を決め戻ります」
「金貸しが複数人居るとどちらを担当するか決めなければなりませんね。二人なら私達だけでも何とか成りますが、それ以上に成ると・・・」
「それは嬉しい悩みですね。三兎とを追う者は二兎を得ずになりかねませんので、取り敢えず二兎を、一兎ずつ追って下さい。三兎目以降は別途考えましょう」
「先生、待って下さい。肝心の久兵衛の押し込みですが、何方が浄財を運び出すのですか。浄財の殆どは小判ではなく一朱銀ですよ。千両も小判なら三貫(11.25㎏)ですが、一朱銀ですと軽くなったお台場銀でも八貫(30㎏)になりますよ。何方が担ぎだすのですか」
「懲らしめることばかり考えて居たのですが、久兵衛立ちを懲らしめるには怖い思いをさせるより有り金を頂くことでしたね。どうするのが良いでしょうか」
「今回は金貸しは一軒に絞り、空いた手を久兵衛の方につぎ込んだらと思いますが・・・」
「それで、どちらが金貸しを懲らしめに行くのですか」
「それは同じ新選組です。双方から三人ずつ出すのはいかがですか」
「鹿次郎さん、それで良いですか」
「一緒に仕事をすることを拒む者は居ません」
「それでは政吉さんと話し合い金貸しを懲らしめる者たちを選んで下さい」
「はい、今日中には」

 兵庫たちが話し合って居ると島次郎がやって来た。
「何か在りましたか」 
「はい、金貸と思われる者が見送られ久兵衛宅を出ました。今、石蔵さんと乱八が後を・・」
「二人目が来ないが・・・」
「見張って居た乱八が言っていましたが、一人目が来た時は来るのが判っていたかのように出迎えたのですが、その後二人目が来るのを待つような人影は無かいので、今日は来ないのではないかと・・・」
「そんなところかも知れないな」

Posted on 2023/02/09 Thu. 04:00 [edit]

【鐘巻兵庫 第181話 元締め(その12)】 

 あけて安政二年十一月二十九日の午後、兵庫は一ツ木町に姿を見せた。
兵庫が午後に一ツ木に姿を見せることは知らされており、直ぐに政吉と鹿次郎が姿を見せた。
「岸田様にお会いになりますか」
「その前に午前中の動きは?」
「久兵衛宅にこの界隈の者が三人来きて、戻っています。また子分衆の五人は食事以外に外出して居ません」
「それでは岸田さんの所にお願いします」
「それは私が」と鹿次郎が云い、兵庫を小間物屋・もみじへと案内していった。
「鐘巻先生。店の脇の戸は中から大吉が開けますので、脇戸に向かって歩いて下さい」
「分かりました」
 段取り通り兵庫が小間物屋の脇戸に向かって歩いて行くと、戸が開き始め、兵庫が吸い込まれると静かに閉じられていった。

 裏庭に入ると大吉が
「少々お待ちください。岸田様をお呼びいたしますので」
大吉が勝手口から入るとその物音で岸田が出て来た。
「鐘巻様がお越しです」
「部屋を用意して在るので呼んでくれ」
「え?、宜しいのですか」
「わしは嘘が下手なので長くは騙せない。だから女将には正直に話してある」
「それで、女将は?」
「互いの利益に成るのなら・・・」
「分かりました」

 大吉から岸田が女将に岸田の仕事を正直に話してあることを聞き、兵庫は頷き、
「私も嘘が下手なので、岸田さんのやり方を理解できます」
といいながら岸田の待つ勝手口に入った。
「上がって下さい。火鉢の置いてある部屋を借りました」
「宿直の仕事が残って居るので長居はしないように心がけます」
「二両を頂く仕事だから、寝ては申し訳ないからな」
「それでは早速、私が狙って居るのは久兵衛の所と何軒あるか定かで無い金貸の家ですが、久兵衛の家に押し込む日取りは金貸しの在所が判った翌日まで待ちたいのですが」
「その日より早く私がお払い箱になった時どうするかですね」
「悩みますが、その時は久兵衛宅だけにし、金貸の方は次の機会が来るのを待つことにしましょう。先延ばしにして事情が変わるのも嫌ですから」
「それで良いでしょう。少なくとも久兵衛の所には十一月の上納とこれまでの蓄財が有る筈ですから。此度、久兵衛の子分が四人が回った店の数は千軒を超えているようです。一軒から軒代として二朱を頂くと総計二千朱となり、これは百二十五両です。今年だけの積み上げだけでも千両を超えますからね」
「皮算用はもう少し煮詰まったところでするとして、押し入るのは先ず侍衆が内部を制圧し捕縛した者を部屋に閉じ込め、その後、家探しをし、明け方に家を出て戻るのでいかがでしょうか」
「それで構いませんが、私は暫く小間物屋に残り、久兵衛一家が悪さするようでしたら懲らしめます。久兵衛一家はかねで結ばれたものたちですから、金の切れ目が縁の切れ目。仲間割れして町から出て行くと思いますが・・・」
「子分はそう成りそうですが、久兵衛はあの家を捨てますかね」
「家主だとすると難しい問題ですね」
「それでは私も久兵衛の進退を見届けることにします」

Posted on 2023/02/08 Wed. 04:00 [edit]

【鐘巻兵庫 第181話 元締め(その11)】 

 山中碁四郎に弁当行李二つに詰めた三食天神もちを持たせて帰した兵庫のすることは力仕事しか出来る者は無かった。
それは薪を切り、割ること、井戸の水を汲み風呂桶に満たすことだった。
昼食を済ませた兵庫は夕暮れが来るまでそれに取り組んだ。

 そして夕食を最近深川で収容された浮浪の子供たちと食べ、終わると兵庫がすることはましら仲間の頭・政吉がやって来るのを待つだけだった。
そして政吉がやって来たのは、ここ数日かおなじだが六つ半(7時頃)頃だった。
「何か変化は在りましたか」待ち疲れた兵庫が切り出した」
「はい、取り立て役の四人が揃って八つ(午後2時)過ぎに仕事を終わらせ戻りました。
どうやら取り立ては終わったようです。ただその後になって取り立て役が回った町の者が久兵衛宅に来た例が何軒か在りますので取り立てが完全に終わったとは言い切れません」
「取り立てに際し、揉め事は在りましたか」
「特に大きな声は聞いて居ないそうです」
「もう逆らう気力もなくなったという事でしょうか」
「喜んでいる様子は全く見えませんので、あきらめでしょうね。町からの上納金集めが終わりましたので、明日辺りから身内の金貸しが姿を見せると思います」
「私の方は笠原道場に移った新選組の方々に近々出番が来ることを伝えるよう山中さんにお願いしておきました」
「山中様でしたら笠原道場に移った方々と一ツ木に参りました」
これからの段取りですが、まだ決まってはいませんが、金貸の在所が判った以降に、それと岸田さんがお払い箱になる前に押し込みたいことを岸田さんに知らせておいて下さい」
「わかりました。一つ確かめたいのですが、一ツ木と金貸しくぉ同時期に押し込むと云うことで良いですか」
「私はそうしたいのですが未だ決まっていません。それは金貸しの家が何軒あるのかと金貸しの家に押し入る支度が整うか不明だからです」
「分かりました。金貸の在所が判りましたら、出来るだけ早く支度を整えます」
「お願いします」
「明日午後に成ると思いますが、岸田さんに会いに行きますので伝えておいて下さい」
「分かりました」

Posted on 2023/02/07 Tue. 04:00 [edit]

【鐘巻兵庫 第181話 元締め(その10)】 

 翌二十七日も久兵衛一家の動きに新しい物は無く二十八日を迎えた。
この日は養育所設立に導いた額賀らの命日にあたるため、養育所設立の三役の鐘巻兵庫、山中碁四郎、内藤虎之助の三人は墓参のため額賀夫人と共に円通寺に出向くことに成っていた。
 これまでは養育所の子供たちも同道したのだが額賀夫人の申し出により身内だけでとなっていた。
ただ、前日には選ばれた子供たちに依り墓の清掃などが行われていた。

 集合場所の駒形の料理屋たちばなに四つ過ぎに集まることになっていた。
まず、内藤虎之助と額賀夫人と子息・君次郎が入ったが、然程間を置かず兵庫、碁四郎がやって来て、一服すると揃ってたちばなを出た。
 向島の円通寺に着くと和尚の浮雲に挨拶をし、共に墓所に行き、経を上げて貰い、皆で線香をあげた。
この時、額賀夫人はともに死んでいった者たちの墓にも線香をあげ、目立たぬ墓参りは終わった。

 兵庫と碁四郎は寺で額賀夫人らと分かれ、押上に向かった。
途中兵庫が
「碁四郎さん、戻ったら下谷長者町の笠原道場に行き、そろそろ出番が来ることを、侍衆と岩松さんに話しておいて下さい」
「おおざっぱには話してありますが、今日の午後何人か一ツ木町につれていって来ます」
「お願いします」
「それでは」
「押上によって、三色天神もちを土産に持ち帰って下さい」
「噂に聞いた新名物?ですね」
「その新名物?です。
「万丸と笠原道場への土産物として頂きます」

本日(2/5)は将棋、棋王戦五番勝負 渡辺明棋王vs 藤井聡太竜王線をABRMAで観戦したため鐘巻無頼控えは短くなってしまいました。

Posted on 2023/02/06 Mon. 04:00 [edit]