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洗心湯屋

日本一長い、時代小説を目指しています。

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【鐘巻兵庫 第112話 一抜けた(その8)】 

 兵庫の部屋に、この家に住む全員が集められ、吉原から来た二十一人の者とそれ以外の者たちが向かい合った。
「この家に住む養育所の者たちと、新しく修行のために来られた二十一人の方々との顔合わせです。出来るだけ早く名と顔を一致させて下さい。今日の昼と夕方と明日の朝の食事の場ですが二十一人はここ、残りの女の方々は志乃殿の部屋、男は佐吉さんの部屋でお願いします。更に人が増えます。明日、入谷の子供たち十六人が養育所に入ることに同意しましたので一旦こちらで引き取り、男・女・年齢で四組に分け、各養育所に配置します。ここにも何人か残るほかに、押上から年齢枠を超えた子供たちが参ります。それで神田庵の住人の数が落ち着きます」
「兄上、ここは女の人たちの修行場です。私たちはどうなるのですか、昇龍院に戻るのですか」と大助が尋ねた。
「言うのを忘れていました。新しい子供たちが増えたので、大人だけでは手が足らなくなって居ますので、手伝いのため男の子は駒形と、中之郷に、女の子は神田庵と押上に移って貰いますので頑張って下さい」
「部屋割りは食後にしますが、房枝さんは志乃さんの部屋に移って貰い、嫁入り修行に励んでいただきます」志津が補足すると
「嫁入り?・・・」と事情を知らない、来たばかりの女たちから上がった。
「そのことは、昨日来た者から聞いて下さい」
「顔合わせはこれまでとします」

 部屋から兵庫と志津を残し皆が出て行き暫くすると、改めて昼食を知らせる板木が打たれた。
そして廊下を歩き通り過ぎて行く女たちの蔭が障子に映り、また戻る影が映った。
隣りの佐吉の部屋に集まった男衆(佐吉・勘三郎・子供たち五人・大工衆五人)十二人への配膳のためのようだった。
 障子に二つの影が落ち、開けられた。開けたのは志乃と乙女だった。
そして、膳を掲げた千夏と小夜が入って来て、兵庫と志津の前に膳を置き、一礼し部屋から出て行った。
入れ替わるように膳を持った二十一人の女が入って来て左右に分かれ着座して行き、最後に房枝が入ると障子が閉められた。
房枝は、兵庫と志津に面するように座った。
「皆さん方二十一人を迎え入れることが出来安心して居ます。先日、この部屋に皆さんの妓楼の主と四郎兵衛さん等をお招きし皆さん方を引き渡して欲しいとお願いしました。その願いが叶い、この日を迎えました。皆さんが願いを抱き始めてここに来た時の願いを叶えて頂く日が参りました。その一番手が末席に座って居る房枝殿のようです。皆さんも諦めずに修行して下さい」
「養育所には少しばかり寄り道した方でお婿さん修行を始めている方々が沢山居ます。気を抜かずに励んでください」と志津が努力の大切さを説いた。
「取り敢えずの話はこれまでとして、他の話は食後にしましょう。頂きます」
と発声し昼食が始まった。


今日は、あの藤井聡太七段と青野九段が順位戦C級1組で対戦するのをLIVEで見ていたため執筆活動の手が進みませんでした。

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Posted on 2018/08/29 Wed. 04:01 [edit]

thread: 花の御江戸のこぼれ話

janre 小説・文学

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