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洗心湯屋

日本一長い、時代小説を目指しています。

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【鐘巻兵庫 第189話 闇開業(その28)】 

 大口だが短期の貸し付けを逸見にした総額五千両の運用について聞いた兵庫が
「逸見殿にお願いした分については概略分かりましたが、最初にお願いした分についてはどうなって居るのでしょうか」
「千両の方ですね。私の協力者は大勢います。その協力者の五人に二百両ずつ渡し、運用して貰っています」
「協力者との関係をもう少し話して頂けますか?」
「私のもとで働き金貸しの仕事を覚え自立した者たちです」
「先日お会いした金太さんと銀次さんは使用人でしたが、ゆくゆくは協力者に成る訳ですか」
「これまでの使用人は皆、協力者になっています」
「逸見家には使用人は居ないようですが・・・」
「鐘巻様はお判りだと思いますが、金を儲けるより人を育てる方が数段面白いことを知ったからだと思います」
「どの様に大金を扱う使用人を選びましたか」
「私から借りた金を返せなくなったことを詫びた者の中から選びました。養育所と同じで決まった手当てが貰える仕事が見付かり、行く行くは店らしきものを持てるので皆、頑張ってくれます」
「その五人は預かった二百両を有効に貸す相手が居るのですか」
「鐘巻様、養育所の方々は日に一朱の日当を頂いています。これは凡そ年で二十両です。この二十両を稼ぐために元金二百両だけとすると利息一割を頂かないと叶いません。金貸はもう少し多く稼いでいますので、二百両以上の金を常時動かして居ると云うことに成ります。今回選んだ五人は、貸す相手が居ると云うので用立てたのです」
「それを伺い、私の闇稼業もなんとか日の目を見た気がして来ました」
「鐘巻様、この稼業、江戸では潰れた話は御座いませんので・・・」
 兵庫は喜びを隠さず、八兵衛に礼を述べ押上に戻って行った。

第189話 闇開業 完

Posted on 2023/12/03 Sun. 04:00 [edit]

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